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- 2012/01/08 縁起と空の理論
縁起と空の理論
2012/01/08 Sun. 19:21:01 edit
表す言葉が『空』と『縁起』です。
相対性理論、量子論、素粒子論など、
20世紀になって発見され、今も研究が
進められている、先端物理学において指摘される、
これまでの古典物理学(ニュートン力学)
の世界観の常識を覆す、この宇宙の『新しい常識』と、
2600年前にお釈迦さまが見い出し、
龍樹(ナーガールジュナ)が完成させた
『縁起』『空性』という理論の間には、
奇妙なほどに符合するものがあります。
お釈迦さまが『悟り』によってたどり着いた
この宇宙の真理に、我々人類の『科学』
というものが、2500年のタイムラグを
経てようやく追いついた、ということですが、
なぜか、教育現場では、一部の高等教育課程
を除いて、未だに古典物理学の世界観が
『常識』として教え込まれ続けています。
それは多分、『縁起』や『空性』というものが、
現代の人間の固定観念、社会通念とはマッチしない、
難解な概念である、ということが理由なのでしょう。
日常的な『現象』を観察する上では、
古典物理学による近似でも、
そう大きな支障もないし、
第一、『新しい常識』を人にわかりやすく
説明できる人間がほとんどいない、
ということもあります。
今日は、その『縁起』という概念について語ります。
難しい概念ですが、理解できれば世界観・人生観が
一新するほどのインパクトのある考えです。
『難しい』、『理解しがたい』というのは、
過去の記憶によって創られた『認識パターン』
の中に当てはまらない、新たな知識だということです。
先入観を取り払い、頭を柔軟にし、
脳内に新しいシナプス結合を創る
準備を整えて、読んで頂けたらと思います。
『縁起』とは、ものごとの『存在』に
まつわる考え方・概念です。
たとえば、目の前に、木で組み上げられた
一つの『机』が置いてあるとします。
その机は、あなたの五感と意識を通して、
非常にリアルに『机』という完成された
存在として認識されています。
ここでもし、仮にあなたがいなくても、
変わらず『机』という物体が存在し続ける
と考えるのが、古典物理学の世界観です。
世界は世界であって、それは普遍的に
存在し続ける、という考えです。
ですが、本当にそうでしょうか?
『机』という物体は、あなたの意識によって、
観照・認識されて、初めてその存在を許されるのです。
物質的に言えば、数種類の材木が加工され、
一つの形に組み上がったもの、
それに『机』というラベルをつけ、
認識しているのはあなたの意識です。
その机の上で寝そべるネコや、そばにいる
赤ちゃん、近くを飛び回る小さな虫は、
あなたと同じように『机』という
存在を認識することはできません。
彼らにとっては、単に、
『自分が生きる世界の中の一部』
であって、
他のものとの区別はないのです。
あなたの意識は、『机』というラベルを
貼ることによって、世界の中から
その机を切り離し、
独立した一個の『存在』として認識しています。
そうやって『存在』を創り出すことによって、
『有』、そして『無』という概念が生まれます。
本当は、世界の一部である材木が
組み合わさって、一定の期間、
一つのカタチをとっているだけのものに、
『机』というラベルを貼った結果、
そのカタチに組みあがっていれば『有』、
つまり存在が『発生』し、
そのカタチがなくなってしまえば『無』、
つまり存在が『消失』したように認識されます。
世界の中で、どれだけ時間が流れようと、
その机を構成している物質が失われたり、
新たに生まれることはありません。
すべてのものは、絶え間なく変化流転し、
そのカタチを変えているだけのことなのに、
人間の意識だけが『発生』や『消失』、
『有』と『無』、そして『生』と『死』
という概念を創り出します。
『机』という無機質な物体で話を進めましたが、
この考え方は、宇宙の中のいかなるものにも
当てはめて考えることが出来ます。
たとえば、あなたの身体。
あなたの進化した意識が、人間という生命体の
肉体として、水や炭素といった物質で
構成されたカタチの『存在』を認識しています。
『カタチ』を存在とみなすため、
人体には『生』や『死』という
概念がつきまといます。
そして、あなたの自我意識。
経験してインプットされた情報(記憶)が
複雑に絡み合って、一つのカタチになったものが、
あなたの自我という『存在』として認識されます。
物質世界のものも、意識の世界のものも同じです。
『存在』とは、
『関係性』が縁(よ)り集まって起こるもので、
そこに『認識』がなければ『有』とならないのです。
人の意識に認識される前のうつろな存在、
有であって無でもあるもの、
有にもなり、無ともなり得るもの、
それがこの世界(宇宙)を満たす『空』というものです。
人間の究極的に進化した認識能力は、
うつろな存在である『空』に、
とんでもなくリアルな臨場感を与えます。
それが『現実』と呼ばれるものです。
物理学という『科学』の世界の中で、
観照意識がなければ、存在も現象も
起こらない、ということを指摘したのが、
『量子論』というものです。
『現実(世界)』とは、存在でもなく、
そして、現象でもなく、
『認識』と『臨場感』によって創られている。
これが、私たちの生きるこの世界の真実なのです。
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